こんにちは、台東区で訪問診療をしている「まるクリニック」です。
今回は、訪問診療においてよく問い合わせがある、ショートステイ・デイサービスなどの訪問診療について解説しています。
ご自宅で療養している方については、週に数回デイサービスを利用したり、月に1回ショートステイを利用されたりと、患者さんの健康管理と家族の休息のために介護サービスを利用する事が多いと思います。
デイやショートの利用中に体調が悪くなったり、1ヶ月のほとんどをショートで過ごされる方への診察はどのような対応になるのでしょうか?
こちらで解説してきます。
訪問診療はデイサービスやショートステイでの診察は可能か?
まずは一般的な介護施設について考えていきます。
介護施設といえば
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 軽費老人ホーム
- 養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- グループホーム
このような施設が代表的なものです。
問題無く訪問診療の介入が出来る施設や、特定の条件のもとであれば訪問診療が出来る施設など様々です。
特別養護老人ホーム
いわゆる「特養」と呼ばれる施設ですが、特養の入居者は一定の条件の下であれば訪問診療は可能です。
基本的に特養は、配置医師・嘱託医と呼ばれる医師が定期的に診察をしています。
厚生労働省より
- 死亡日から遡って30日以内の患者
- 末期の悪性腫瘍
こちらにあてはまれば訪問診療が認められています。
実際のところ、配置医師が診察をする事が多い為、特養へ訪問診療をするシチュエーションは少ないと言えます。
介護老人保健施設
老健においては常勤の医師が配置されており、状態が安定している患者さんが多く施設にて対応可能なため、訪問診療の介入は認められておりません。
ただし、急性増悪等の往診は、併設の医療機関以外は認められています。
老健も特養と同様に、訪問診療をするシチュエーションはかなり少ないと言えます。
軽費老人ホーム
軽費老人ホームには3つのタイプがあります。
- A型
- B型
- ケアハウス
この3つです。
A型・B型については訪問診療自体は可能ですが、入居者が自立した生活を送っている事が多い為、訪問診療の対象にならない方が多いです。
ケアハウスも同様ですが、通院困難な方であれば訪問診療の介入は可能です。
養護老人ホーム
養護老人ホームについては、定員が110名以下の施設であれば訪問診療は可能です。
ただし、医師と看護師の常駐が義務づけられているため、あまり訪問診療で介入する事は多くありません。
有料老人ホーム・サ高住・グループホーム
こちらの3つに関しては、いずれにおいても訪問診療の介入は可能です。
医療機関が診察する人数によって費用が変わってきます。
ショートステイやデイサービス・小規模多機能での訪問診療について
ショートステイでの訪問診療は、「30日ルール」が存在します。
自宅で診察をしてから30日以内、あるいは他院後直接ショートステイに入所した患者さんであれば、退院後30日以内であればショート先での訪問診療が可能です。
小規模多機能については、通所と宿泊の両方ができる施設です。
宿泊日に関しては訪問診療が可能ですが、通所(日帰り)の際は訪問診療は認められておりません。
デイサービスについては、いかなる場合も訪問診療は認められておりません。
体調不良時には、一度自宅に帰って頂き、その後であれば往診対応が可能です。
ショートステイについてはこちらで詳しく解説しています。
このような医療の点数については、訪問診療について詳細に説明のある書籍にてご自身で確認する事もできます。
当院で使用している書籍
・たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル
・たんぽぽ先生の在宅報酬Q&A
・診療所外来点数マニュアル 2022