こんにちは、台東区で訪問診療をしているまるクリニックです。
この記事では、ショートステイと訪問診療のルール・制度について解説します。
- 調べても難しい表現ばかりで分からない
- 特養併設とか短期療養とかなんだろう
- 30日を超えたらどうしたらいいの?
こんな悩みをもった方におすすめの記事です。
ショートステイ利用中の訪問診療-30日ルールとは
自宅での介護が難しい場合、家族の仕事や休息の為にショートステイを利用します。状態によっては2ヶ月・3ヶ月とショートステイをロングで利用する患者さんもいると思います。
普段自宅で訪問診療を受けている患者さんは、ショートステイ先でも診察は可能なのでしょうか?
細かいルールがありますので、簡単に解説します。
ショートステイは自宅ではない
ショートステイは自宅では無いため、通常の訪問診療のルールと異なります。そのなかでよく話題に出る事が「ショートステイの30日ルール」です。
自宅で診察をしてから30日以内であれば、ショートステイ先でも定期診察は可能です。
例えば
- 9月1日に自宅で診察
- 10月30日までショートステイを利用する
このような患者さんがいたとします。
区分 | 9日後 | 29日後 | 30日後 | 39日後 | 59日後 |
---|---|---|---|---|---|
定期診察 | 9/10 | 9/30 | 10/1 | 10/10 | 10/30 |
往診 | 9/10 | 9/30 | 10/1 | 10/10 | 10/30 |
末期悪性腫瘍 (定期・往診) | 9/10 | 9/30 | 10/1 | 10/10 | 10/30 |
- 定期診察:もともと予定していた診察
- 往診:急に調子が悪くなり、家族や施設から求められた診察
このように、定期診察の場合は30日後までであればショートステイ先で診察が可能です。それ以降は訪問診療の制度・ルールにより施設での診察は基本的には認められていません。※末期の悪性腫瘍(ガン)の場合は除く(他にも例外あり)
ショートステイ30日ルールのよくある質問
- 30日を超えてしまった場合はどうしたらよいか。
-
近隣のクリニックへご家族・職員介助のもと通院していただきます。ただし、状態が安定している場合などは薬を60日〜90日分など処方し対応する事もあります。
- ショートステイにも種類が色々ありますが制限はあるか。
-
特別養護老人ホーム(特養)併設のショートステイの場合は施設を担当している医師がいるため、例外を除き施設の担当医が診察をします。ショートステイ単独の建物の場合は30日ルールに準じます。
- 常にロングでの利用です。昼に一度帰宅させて夕方に施設に戻りますが診察は可能か。
-
一時帰宅(外泊)は自宅扱いになりません。手続きをして帰宅扱いであれば診察可能です、ショートステイ利用のルールに関わりますので、担当のケアマネージャー、施設の相談員にご確認ください。
- ショートステイを1日だけ自費利用する、その日にショートステイ先での訪問診療は可能か?
-
自費利用であっても、自宅ではないため訪問診療は不可です。
ショートステイ30日ルールの見直し
令和2年にルール改定があり、ショートステイでの訪問診療可能な条件が緩和されました。
今までは、「自宅で診察をしてから30日以内」というルールでしたが、入院先から直接ショートステイに入所した場合も、訪問診療が可能になっています。
- 退院日:9/1
- ショートステイでの定期的な訪問診療:10/1までは可能
それ以降は通常の30日ルールが適用されます。
このような医療の点数については、訪問診療について詳細に説明のある書籍にてご自身で確認する事もできます。
当院で使用している書籍
・たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル
・たんぽぽ先生の在宅報酬Q&A
・診療所外来点数マニュアル 2022