こんにちは、台東区の訪問診療クリニック「まるクリニック」です。
今回は訪問歯科について書いています。
自宅で診察ができる医療サービスは、内科だけでなく歯科もあります。訪問歯科にも「訪問診療」と「往診」があります。往診とは、患者さんからの電話を受けて、その都度訪問することです。
例えば、入れ歯が壊れたので緊急に治療してほしいとか、銀歯が抜けたので何とかしてほしいなど、患者さんからの電話を受けて、その都度訪問することです。
一方、訪問診療は、「定期的かつ計画的に」患者さんを訪問することです。歯科医師や歯科衛生士が患者さんを定期訪問し、入れ歯の調整や新規作製など、患者さんのお口の中を管理することです。
訪問歯科との連携・訪問歯科の概要とできること【摂食嚥下リハ】
入れ歯の問題は、「痛い、噛みにくい」といった患者さん自身の訴えだけでなく、ご家族や介護者の方にもわかりやすいのではないでしょうか。
食事の際に患者さんの入れ歯がずれてしまったり、うまく噛めなかったりすることがあります。
入れ歯がうまく合わないと、きちんと食べられずに痩せてしまったり、噛まずに飲み込んでしまうことで消化不良を起こしたりする可能性があります。
しっかり噛める入れ歯を使い続けることは、体調維持・向上だけでなく、脳を適度に刺激し、認知症の進行を抑制する効果もあります。
入れ歯だけではない訪問歯科のできること
訪問歯科は、入れ歯の調整だけにとどまりません。
歯科医師や歯科衛生士による定期的な口腔内の清掃やマッサージ、入れ歯の洗浄などの口腔ケアも行われます。その大きな目的のひとつが、誤嚥性肺炎の予防です。
誤嚥性肺炎とは?
誤嚥性肺炎とは、食事の際にうまく飲み込めず、口の中の細菌が誤って食べ物と一緒に気管(肺)に入り、炎症を起こして肺炎になることです。
体力の衰えた高齢者の場合、口や舌、食道の周りの筋肉が衰えてうまく飲み込めず、誤って気管に入りそうになった食べ物を飲み戻す力も弱くなっているため、そのまま気管に入ってしまうことがあります。
誤嚥性肺炎
- 口の中の細菌の増加
- 体の抵抗力の低下
- 筋力の低下
などにより、誤嚥してしまうことが原因です。
口腔ケア
口腔ケアでは、細菌の繁殖を防ぐために口の中を清潔にするほか、口や舌、唇のマッサージを行います。
マッサージによる小さな刺激を繰り返すことで、神経がつながり、衰えた筋力や感覚が徐々に回復していくことが期待できます。口の中のリハビリのようなものです。
その他にも、唾液の分泌を促す、喉の渇きを抑える、飲み込みやすくする、味覚の改善、認知機能の低下防止など、マッサージには様々な効果があります。
また、ご家族や介護者の方にも介護の方法を指導することができますので、日々の介護が一歩前進することもあります。
ご自宅での生活が少しでも快適になるよう、訪問歯科をはじめ、訪問診療との連携が大切です。